「抗老長寿=アンチエージング」

  今朝の朝日GLOBEは「抗老長寿~アンチエージングを追いかけて」特集を組んでいる。この中に「いま世界トップクラスに立つ日本の平均寿命も、戦前は男女とも40歳代で、50歳を越えたのは1947年だった(生まれた年だ!)。2010年は男性で79.55歳、女性で86.30歳だが、2060年には男性で84.19歳、女性で90.93歳に達すると予想されている」と書いてあった。(エェっ!と驚いた、まったく)
 
 たしかに今の80歳代は丈夫だ。母の弟である叔父は82歳だが、年の割には若々しく、気迫も衰えていない。毎朝、故郷の海を見下ろしながら山道をかなりの時間散歩している。行くと「おお!一男、来たか」と一杯飲もうとするほど元気だ。昼過ぎにはまた、自転車で港を一周しながら知り合いと短く情報交換している。年一回会うのが、楽しみの人だ。
 
 現在、80歳になったU先生から月一回、倫理学の講義を受けている。エリクソンの人間精神発達の8段階説からヒッグス粒子と宇宙物理論まで壮大なスケールで、生命倫理の解明に取り組んでいる。今年初めの頃、話題の南雲義則医師著「実年齢より20歳若返る!生活術」を読んでいて、まだまだ壮健持続を目指していた。長寿遺伝子のスイッチをさらにONにしたいようだ。これではもう当方の負けである。
 
 GLOBEの中に「老いの理想ぼやけた」と題して、黒井千次(80)が書いている。久しぶりに写真を見たが、髪は白くなっているが昔のままだ。「私も『80歳には見えませんね』と言われると、正直、悪い気はしません。正直、まだまだやっていけそうってことなわけですから」とある。「年を重ねてこそ感じられるもの、見えるものがある。老いを否定していては、それが見えなくなってしまう」とも述べている。