元首相たちの思惑

 昨日の朝日オピニオン面「かたえくぼ」に、つい笑ってしまった人は多かったと思う。「鳩山元首相殿 再稼動反対! ―デモ隊」(福島・こけし)とあった。この御仁は先日カッパ姿で官邸周辺のデモ隊の前に現れ、野田首相を「シロアリ」と断じた。元首相とは信じがたいが、こうした稀有な、突拍子もない離れ業は「ボクちゃん宇宙人」にしかできない。彼には思惑すらないからだ。「鳩山よ、もういい、腹を切れ!自分でそれができないなら首を刎ねてもらえ」―という声が実際のデモ隊からはないようだ。
 
 先週土曜日(7/21)のテレビ東京週刊ニュース新書」でゲストの鈴木宗男氏は、田勢康弘キャスターの質問に答えて、歌手の松山千春鳩山由紀夫の北海道9区に立候補する可能性を示唆した。ただ、北海道1区への立候補もありうるのではないかとも発言している。松山千春が本当に立候補するかどうかは分からないが、いずれにしてもあまりワクワクしないなぁ~?!
 
  昨日は、森善朗元首相が政界引退を発表した。この人は日本工業新聞記者から政治家秘書を経て、国会議員になった。失言、暴言の連続で、逆にいえば日本の政治家の意識レベルを露出してくれた。自民党を動かす根回し政治家とのイメージが強いが、その人がタイミングだけでいま引退を発表するわけがない。ここにきて、谷垣支持を語っているのは、3党合意路線を進めようとの意図が明らかだ。町村も安倍も支持しないという姿勢が真意かどうかは素人には分からないが・・・。
 
 先日、建設業界にいた同世代の友人と食事した時、彼は「コンクリートから人へ」との民主党のスローガンが日本のすべての面を弱体化させた、と静かに語っていた。汗を流して働かない、お笑いのみでストレスを解消する、投機的な金儲けを夢見る、などと嘆いていた。そして、やはり予想通り、田中角栄のリーダーシップを話題にした。日本再生に骨太のビジョンを語り、それを国民の利益として納得させる政治家が恋しくなるほど、現在のお歴々は劣化しすぎている。