秋の入り口に立って

昨日の北海道新聞「卓上四季」にこうあったー 【詩人立原道造ソネット(14行詩)集『優しき歌』に、こんな一節があった。<いつの間に もう秋! 昨日は夏だった>。きょうは、「立秋」。暑さには、まだ用心しなければならないが、季節は粛々と歩を進めている】。 昼間は36度を越えた埼玉・坂戸市でも、夜遅くには明らかに秋風が窓から入ってきた。初めてだった。<昼までは夏だったのに・・・!!>。そして、いまも暑くはない。
 
残暑お見舞いメールが届いた。札幌の妹から「朝夕、涼しすぎる日々です」、また、友人からは「昨夕などは上着を必要とするような秋風が吹いている札幌です。もう少し暑くなってからと控えていた大通りのビアガーデンも行かないまま終わりそうです」とあった。お盆前にして北の地ではすでに秋の冷気が入り込んでいるようだ。ーふと、谷村新司の「秋止符」が聞こえたような気がした。
 
今朝の各紙が「人口、過去最大26万人減」と報じている。それで1億2665万9683人なった。減少数は前年から倍増し、1968年の調査開始以降でもっとも多いという東日本大震災は別にして、少子高齢化傾向は何十年も前から予測されていたはずだ。「国も、われわれもすでに秋を迎えている」―。そんな重苦しい空気が充満していく。これまで日本経済を牽引してきた主要企業が苦戦を続けている。中国経済の減速はこれに輪をかけていくだろう。
 
こんな時に党利党略だけの政局が猫の目のように変っている。官邸、民主、自民、公明、そして、少数野党群の袖の引っ張り合いは今週末までは続く。「約束されない解散」をめぐっての攻防だが、素人目にはどうも野田首相の選択肢が狭まってきている。守勢一方の野田首相はそろそろ腹を決めて自ら動かないと、すべて失う結果になる。そんなふうにも思ってしまう。