さようなら!!「マイルドセブン」

マイルドセブン」が来年2月から「メビウス」に名前をかえる。一瞬、ウルトラマンの話かと思った(―そう思うマニアもいる?!)。わが国で最も売れている「マイルドセブン」は1977年から発売され、現在でも国内シェア約30%を占めている。名称変更は、海外展開、主に欧州での販売を狙ったものだ。JTは自社の生え抜きブランドの国際化の拡大をめざす。「マイルド」という表現は国際的な規制に合わないので、「メビウス」にするという。
 
メビウス」は造語で「マイルドセブン」のMSを組み合わせたらしい。でも、メビウスといえば「メビウスの輪」あるいは「メビウスの帯」がまず連想される。テープを一ひねりしてつくった輪は表裏が一体になる。そのことから「循環」や「再生」を意味するともいわれている。
 
マイルドセブン」の父、「セブンスター」は1969年に発売され、喫煙と健康問題が騒がれ始めたわが国であっという間に人気銘柄に躍り出た。国産の葉タバコをもとにした日本独自の製品だ。そして、最大の特徴は、活性炭を使ったチャコール・フィルターを採用したことだった。これが健康問題に揺れる喫煙者に受けた。
 
大手PRコンサルタント会社に入社して2年目の1972年から5年半、当時の日本専売公社の広報を担当していた。時代はまさしく「ハイライト」から「セブンスター」に変わっていった時代である。そして、喫煙と健康問題がさらに深刻化していくのに対応して「マイルドセブン」が発売され、時代の寵児になっていった。いまでも「マイルドセブン」シリーズがわが国のトップブランドだ。
 
当時、テレビではクイズ番組が大流行であった。Y先輩と「数字で見るたばこの話あれこれ」というクイズを20問ほどつくり、テレビ局に配った。これが好評で、その後「たばこ&クイズ」、「続・たばこ&クイズ」と続いた。とくに受けたのは、「セブンスターの1箱の中にはいくつの星があるか?」との問題で、TV各局・スポーツ紙・週刊誌で何回も報じられた。正解は「2,010」であった。関係社員5人で、パッケージからフィルターに付いているものまですべて数えた。そんなことを思い出した。