ロムニー氏「日本のようにはならない」

 明け方に一度目覚めて寝直ししたので、いつもより一時間寝坊した。朝パンを食べながら新聞を読み始めたが、頭が起きていなかった。「何時の新聞を読んでいるんだ??」、一面には朝日も読売も「消費税8%へ、法成立」、「韓国大統領 竹島に上陸」とあり、それにロンドン五輪のメダル獲得が加わっていた。20年後か30年後に新聞のバックナンバーを見ているような錯覚が脳内で起こっていた。幻を見ているように、現実は歴史になっていく。
 
 ゆっくりと読み進めたが、体力も知力も劣化しているので疲れ切った。これだけ多くの課題を理解することはなかなか困難なことだった。どんな状態になれば健全なのか、消費税増税にしても、韓国への抗議にしても、結局は分からなかった。いつまでどれだけ上がれば良いのか、国際司法裁判所に提訴しても受け入れられずにそのままになるか、その先が両紙ともほとんど書いていなかった。
 
 ひとつだけポンと頭に入ってきた記事があった。「我々は日本のようにはならない」、読売国際面の囲みだ。米大統領選の共和党候補となるミット・ロムニー氏が9日、資金集めパーティーでこう語った。「我々は日本とは違う。今後10年、100年かけて没落し、困難に苦しむ国にならない。我々が最も恐れているのは『弱い米国』だ。我々はまもなく、米国民が過去3年間にみてきたものとはまったく異なる経済の将来像を示す」。
 
 自らが政権を担えば、オバマ大統領とは異なる経済政策を断行するとアピールしたもの。ワシントン・中島記者は「ロムニー氏が日本について触れることは珍しいが、同氏が日本の将来を低く評価していることが明らかになった形だ」と指摘している。いまアメリカ人が日本を見ている普通の目線がこうした水準だと、冷静に、厳しく受け止めるべきだろう。