「尖閣」「竹島」にフランクリンの罫線表をー

   「フランクリンの罫線表」と呼ばれる難問解決法がある。状況が複雑に入り組んでいるときに、問題を一つずつ整理していくやり方だ。一枚の紙の中央に一本の縦線を引く。左側に「メリット」を書き並べ、右側には「デメリット」を書き並べる。これにより、こじれた複数の要因がプラス、マイナスに区別されて一目瞭然となる。
 
 連日、「尖閣諸島」問題と「竹島」問題がマスコミで大きく報道されている。しかし、結局のところ小生には肝心なことは分からないまま推移していく。ひどい場合は、番組のゲストが前日と異なっているので、その主張が正反対になる場合もある。一昨日と昨日の「報道ステーション」の古館伊知郎の変節には目も当てられなかった。
 
香港活動家の強制送還に対する観点のことだ。彼はゲストを立てなければならないし、視聴者の賛同をも得なければならないから大変だとは思う。(決して気の毒だとは思わないが・・・)。彼はある時は「ジャーナリスト」を気取り、ある時は「わたしは素人ですから」と逃げている。「ポピュリズム」の代表選手の一人だ。
 
と、彼だけをこき下ろすつもりではないが、テレビ報道は常にそうした宿命を背負いながら成り立っている。そのテレビも、新聞も、こうした大きな事件の取り扱いについては、「フランクリンの罫線表」を使ってほしい。視聴者や読者に、各社が取材した成果である独自情報をプラスとマイナスに分けて明示してほしい。それぞれのメディアがどのように整理するのかを、我々は厳しくチェックしていく。こうして難問解決の糸口が見えてくる。