「近いうち解散」の流れ早まる

今日は「処暑」。暦の上では、暑さがピークを越えて後退し始める時期だ。昼間は厳しい残暑が照りつけても、朝晩には涼しい風が渡るような季節になる。今朝の読売2面「四季」には「江のひかり柱に来たりけさのあき」(蒼虬・そうきゅう)とあり、日本人の繊細な季節感を表している。
 
しかし、巷では依然酷暑が続き、暑苦しい政局争いが継続中だ。野田首相の「近いうちに」が一人歩きして、多様な解釈を読んでいる。不透明な綱引き状態の中、今日は「首相、衆院選11月上旬の意向 自民・谷垣氏に示唆」(共同通信)、「首相、10月解散示唆 自民に伝達『予算影響避ける』」(産経新聞)と報じている。いずれも複数の自民幹部が明らかにしたもの。10月上旬の臨時国会冒頭で解散し、11月上旬投開票を選択肢の一つとしていることを示唆したという。
 
とは言うものの、現在の段階での動きはまだ「真夏の世の夢」の真っ最中。いつ目覚めるかはまったく霧の中だが、霧が晴れれば「近いうち解散」の流れは止めようのない状況になっているかもしれない。ただ、定数是正の取り扱いが混乱しそうだ。党首選は素人目に野田楽勝、谷垣再選の線が強まり、秋の政局も両者の対決になるようにみえる。(???)
 
国政選挙が近づくと、かつては夜になれば虫たちが「ジージー」と鳴き、次の選挙では蝉が「ミーンミーン」と啼いた。今度は自民にも、ましてや民主にはまったく「風」が吹いていない。時々風向きによっては西のほうから「ハシハシ」とカマキリの遠吠えがノイズ入りで聞こえてくる。こうして混迷と絶望を深めながら、我々は「途轍もないスーパーヒーロー」を求める気分になっていく。恐ろしいことだが、我々自身が選んでいく道だ。