「朝日新聞社」の商魂

   「あさひしんぶんきょういくつうしん・坂道のぼろ!その15」というB4二つ折りの印刷物がテーブルの上にある。朝日新聞の販売店が地域向けに発行しているものだ。トップ記事は「天声人語書き写しノート100万冊突破!」。「坂戸中学校・国語で全校生徒活用中」、「北坂戸小学校5年生、6年生も活用中です」。
 
 「天声人語ワークブックも桜中、坂戸中で活用」ともあり、「ワークブックは、天声人語を問題とした20ページの総合的な国語力アップのための問題集です。中高生には最適な教材です」と説明されている。そして、「天声人語ってな~に?」では、朝日新聞1面の歴史ある名物コラムで、①603文字にまとめている②必ず6段落にまとめている③▼が5つある④以前は1人体制だったが、5年前から2人体制になった。論説委員の福島、冨永の二人が執筆している―と紹介している。
 
裏面は全面を使って「天声人語関係プレゼント」案内で、希望者は名前と住所、電話番号などを記入して、応募するよう呼びかけている。これだけ攻勢をかけられたら、この年代の子どもを持つ親や祖父母のかなり多くは心を動かされ、「どうしょうか??」と考えるに違いない。中学、高校、さらに大学入試にまで「天声人語」から出題されるケースがあるからだ。明らかに夏休み販促だ。
 
朝日新聞社の営業力強化はだいぶ前から顕著になっていた。ネットでの記事の有料化然り、「アスパラクラブ」然りだ。いずれも不評だ。広告で紹介する商品も以前では考えられないような品物を大々的に取り上げている場合も目立つ。こんな世の中だから、新聞とて気取っていられないというのが本当のところだろうが、とくに「天声人語」シリーズの販促にはなんだか複雑な思いを抱いてしまう。ここまでやるのか?!という気持ちもある。「正義」の仮面の横からアバター顔がはみ出ているように感じるのは、小生一人なのだろうか・・・。