「花火」尽くし

   昨夜は「花火」尽くしだった。夜、NHKBSプレミアムで延々と「秋田・大曲の花火大会」を放映していた。わが国一流の花火師たちが腕を競い合っていた。約18,000発というからなんともスゴイ!! 86回目である今年のテーマは「つながり」で、昨年の大震災からの復興と希望を託している。大規模で華やかな創作花火も披露されていた。今朝の朝日は「行く夏」(社会面)、読売は「『つながる』光の技競う」(1面)と華やかな写真で見せている。
 
 この間に20分間ほど、近くの陸橋に上がって隣町・東松山市の花火大会を見ていた。幹線道路の車のせいで腹に響くほどの花火音は聞こえないが、生の打ち上げ花火はテレビ中継にはない迫力がある。この美しさは、哀れさでもある。豪勢でもなく、打ち上げの間も長いが、なぜか「ハナビ、ミテル~!!」と感じるのだ。幼いころ故郷の築港で開かれた花火大会では、一発ごとに小さな胸がドクドクした。たぶん200~300発ほどだったがその度に海が光った。
 
 上京してから花火はずいぶん見に行った。神宮、東京湾、豊島園、荒川、小川町などは何回も行った。それらの時々の心模様が残影として微かにある。花火の閃光で脳裏に刷り込まれたのだろう。高島平団地の屋上からは荒川の花火と、反対の方角には豊島園の花火が見えた。子どもたちがまだ幼かった頃だ。辛いときも迷っていたときも、小一時間、ボーとしながら変わりゆく花火の色を眺めていた。
 
娘が茨城・つくばみらい市に嫁いでいるので、土浦の花火大会にも2回ほど見学に行った。これも晩秋に全国の花火師たちが来年用の花火を披露し合う大きい催しだ。ここも観客が混み過ぎるのだが、寒さが厳しい日もあるのでなにかもう一つ盛り上がらない気分だ。でも花火は凄い作品が多いので、おススメだ!! 我が家は今年も見に行くつもりでいる。「花火待つ 人の影濃き 橋の上」(吉野秀子)。