「青春」の実態―

ブログ「余市高校41会」に書かれているK君の述懐に共感を覚えながら読ませてもらった。いまどきの若い人たちの振る舞いのことである。周りの状況に無関心で、自分たちのやりたい放題に事を進める。これは態度というより、姿勢の問題なのだとはっきり分かった。仲間の信望を集め、リーダーとして細やかで地味な配慮を欠かさないK君の言葉だけに考えさせられた。
 
「年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。歳月は皮膚にしわを増すが、熱情は失えば心はしぼむ。苦悩・恐怖・失望により気力は地に這い、精神は芥にある」。サムエル・ウルマンの「青春(Youth)」の一節だ。本当のことをいえば、この詩は若い時から大嫌いであった。「止めて下さい、そんな傲慢な言い方は!!」と何度か登場するたびに嫌悪すら感じてきた。成功した経営者がよく引用していた。あのクラーク博士の「青年よ、大志を抱け!」と同様に、自分の都合の良いように曲解して大人たちは使っていた。
 
今朝の各紙には「大卒2割、安定雇用なし~2万人は非正規労働、就職率63.9%」とあった。厳しい就職状況がもろに反映している。たとえ正社員になったとしても即戦力としての過酷な最前線での戦いが待っている。そんな気の毒な時代に遭遇している彼らに同情せざるを得ない面もある。坂の上の雲ならぬ、坂の下のドブが目前に広がっているようだ。こうした彼らにウルマンの「青春」はどう映るのだろうか。小生は願う。それでも無視しないでほしい、せめて反発してほしい。(違うかもしれない???)
 
朝日のこの記事の下に「4年制私大、46%定員割れ」とある。現在、多くの若者が大学に入学する。それでも欠員が出るほど大学が増えてしまっている。すでにこの問題は表面化しているが、少子化現象で今後ますます顕在化していくだろう。昨年退官になった大学教授は「文章はほとんど書けないし、文字も満足に読めない学生がどんどん学内に増えている」と嘆いていた。「今時の若い者は―」で済ませられない事態があまりにも多すぎる。(こんなことを書くほど年取った!?・・・)。