海水温高く、さんま不漁

 読売日曜版・「名言巡礼」に「さんまは目黒に限る」とある。ご存知の古典落語・演目「目黒のさんま」をテーマに、東京・目黒周辺の土地柄について紹介している。江戸時代、大名の下屋敷が多数あったという。下屋敷とは大名たちの別荘だった。白金台の「八芳園」は元々薩摩・島津家の下屋敷、そして「目黒雅叙園」は肥後・細川家の下屋敷跡だ。こうした土地柄から若殿の「さんまは目黒に限る」という勘違い発言と相成る。
 
 先日夕方のテレ朝ニュースで聞き覚えのある声が聞こえてきた。「海水の温度が高いので、秋刀魚がまだ日本沿岸に押し寄せていない」。そう解説していたのは、水産ジャーナリストの梅崎義人氏(元上司)だった。異常気象で暑さが続いているため、海水温度が例年より2~3度高いという。さんまの適温は15~16度なのだそうだ。この高温傾向は全国的にいえることで、秋刀魚が不漁で値段は高いままだと説明していた。そういえば、我が家の食卓にまだ秋刀魚は上っていないなぁ。
 
 昨夜8時過ぎに北海道積丹町の妹夫婦から冷凍便で魚が送られてきた。二種類のイカ、カスベ(エイ)、ホッケ、ガヤ(正式名称知らない・・・、エゾメバルと判明)がビッシリと入っていた。積丹沖で4日前に取れたものだという。「漁師さんからもらってすぐ捌いて送ったから」との電話があった。イカがものすごく大きくて身が厚い。イカ釣り船の明かりが夜の海上に並んでいる様がすぐ目に浮かんだ。あのライトの強い光りにイカが寄せ集められ、次々に釣られて上がるのだ。
 
 前回も書いたが、魚の消費量が減少している。その主な原因は、魚一匹を丸ごと見る機会がないからだろう。スーパーでは最初から切り身や刺身になって並んでいる。名前も味も知らないから結局、無難なところで鮭やサーモンの切り身を買ってしまう。魚ほど経験に左右される食材も少ない。さかなくんが頑張っているのにね。いま回転寿司では「最初にサーモン、閉めにサーモン」といわれるほどサーモン・ブームだという。サーモンとガリファンクル???