昨夜見た二人の女性

   昨日は書いた時間が遅かったのと、まだ書くまで凝縮されていなかったので筆を留めた部分があった。
 
   あのTッチャンの店にいた時に、一人で入ってきて飲み始めた女性がいた。年のころは同じぐらいか、もう少し若いかもしれない。Tッチャンの奥さんと二、三言交わしていたから常連なのだろう。その女性が入ってきた瞬間、「あれぇ~!?」と思った。しばらくなんとなく様子を見ていたら、「たぶんこの女性とはどこか出会っているかもしれない」と・・・。
 
しかし、思い出すことはなかったし、声をかけることもなかった。帰りの電車でふと考えた。「あの人、演劇女優かもしれない」。あの少し下がり目のメガネのかけ方とあの微笑み方は過去にどこかで見ていたはずだ。「おふくろ」という店は昔「漫画集団」の漫画家、イラストレーター、女優の卵、モデルなどでいつも混んでいた。いつかもう一回行ってみて、その女性が来ていたら何かを聞いてみるかもしれない。
 
そんな帰りの電車で途中から小生の向かい側に座った女性に目がふと留まった。目をこすってもう一回見た。若い女性で薄い紫のブラウスを着ていて、下は上品な薄い茶色のショートパンツ、少し濃い目の紫のバックで、なかなか「いい女」だった。「梅ちゃん先生」の長女・松子(ミムラ)に似た感じの雰囲気を持っていた。
 
ドラマで松子の演技を見ていると、この役者・ミムラは悪女の役がほぼ完璧にできる女優だなと思ってしまう。電車の向かいの女性はそんなミムラのような空気を漂わせていた。夜八時半だし、格好からすれば普通の勤め人なのだろう。15分ほど経って、彼女は「ふじみ野駅」で降りていった。普通の女性よりも少しだけ背が高く、姿勢正しく歩いて消えてった。・・・ああ、やっぱり単なるオヤジの戯言に終わった。酒のせいだった。