居酒屋からホッケが消える?!

   昨夜の会合は「浜町亭銀座店」で開き、例によって「大きなホッケの開き」を頼んだ。これまでは二人で半分ずつ食べてほど良い大きさだった。が、昨日はやや小ぶりのホッケだった。やっぱり!!と思ったのは、数日前に「居酒屋からホッケが消えてしまう日も近い!!!」とのNEWSを見ていたからだ。居酒屋チェーンの店長がボヤく。「かつて開き魚といえばアジだった。その価格が高騰し、代用品としてホッケが重宝され、瞬く間に人気が広がり居酒屋の定番メニューに育った。でも、今やそのホッケも高級魚になろうとしている」。
 
   これまで何回か書いてきたが、ホッケの漁獲量が日本一の産地・北海道で激減している。「何十年と漁師をやっているけど、こんな大不漁は初めて。生活が成り立たない」(羅臼町の刺し網漁師)。1998年から減少傾向が続き、とりわけ3年前から急減。08年の約16万5000tから昨年は約5万8000tまで落ち込んだ。約三分の一だ。道立中央水産試験場のホッケ担当研究員は「これまでの漁獲が過剰気味だったのに加え、北海道近海の海水温の上昇が原因だ。比較的寒冷な海を好むホッケにとって生息しづらい環境になったことが資源(ホッケ)の減少につながっている」と述べた。
 
   北海道庁は資源回復のため、全道のホッケ漁獲量の8割を占める北部海域を対象に、9月から3年間の水揚げを08~10年の平均より3割減らすという異例の水揚げ規制に乗り出した。ここ数年の漁獲低迷ですでにホッケの値段は跳ね上がっている。人気の羅臼産ホッケの場合、卸値は例年の倍以上。それどころかモノ自体の入りが悪く、在庫が底を尽きかけているのが現状だ。ホッケは安い魚というイメージが定着しているので、卸値の上昇を売価に転嫁できないという。「今は50gほど小ぶりなホッケを使ってなんとかしのいでいる」とのこと。(やっぱりネ!)
 
   水産ジャーナリストは「ホッケの主な輸入先はアメリカとロシア。実は昨年、絶滅危惧種に指定されているトドの資源保護を目的に、その主要なエサであるホッケの漁獲枠がアメリカで大幅に縮小された。そのため輸入量が急減し、価格も07年と比べて約3割アップ。ロシア産の輸入価格もそれにつられて07年から約6割高くなった。アメリカの漁獲制限期間は10年。最低でもあと8年は高値基調が続きそう」と指摘した。やはり、国産ホッケも輸入ホッケも高いわけだ。