NYタイムズ元発行人死去

   各紙「訃報」欄に、NYタイムズ前会長・アーサー・サルツバーガー氏の死去が報じられている。86歳だった。「1963年~1992年まで発行人として尽力した。この間、同紙は71年のベトナム戦争に関する国防総省の秘密文書報道などで、ピュリツァー賞を31回受けた。同氏は現在の発行人の父」(ニューヨーク共同)。
 
 小生が入社3年目に当時話題になっていた「ニューヨーク・タイムズの一日」(ルース・アドラー著、平凡社)を買い、一気に読んだ。マスコミ業界のことを知り始めていた時期だっただけに、その内容に引き込まれ興奮しながら読んだのを今でも覚えている。「新聞ってこんなふうに作られているのだ」と驚き、さまざまな役割をもつ社内の人々の言動に目を開かれた。
 
 同紙は1897年に " All The News That's Fit To Print " (印刷に値するニュースはすべて掲載する)というスローガンを採用した。競合するニューヨーク市の新聞、ニューヨーク・ワールドやニューヨーク・ジャーナル・アメリカンなどのイエロー・ジャーナリズムに対する牽制だったという。本社を42番通りに移したあと、1904年にその界隈はタイムズ・スクエアと呼ばれるようになった。
 
 現在のNYタイムズは、部数(103万部)が日本読売新聞の1/10に過ぎず、米国においても2大全国紙USAトゥデイ(227.8万部)、ウォール・ストリート・ジャーナル(206.2万部)の半分程度だ。だが、一般紙としてはワシントン・ポストと並び著名な新聞で、日本でいう地方紙でありながらも米国を代表する新聞と見なされている。
 
ニューズウィーク誌は、NYタイムズの報道姿勢について「同紙が日本関連の記事を書くときは、いつも好意的に書かないのに決まっている」と評した。中国の英字紙「チャイナ・デイリー」は9月28日付NYタイムズワシントン・ポストなど米主要紙に「釣魚島は中国のものだ」との全面広告を掲載した。(YOMIURI ONLINE)