ジャガイモとさつまいも交換

   北海道のジャガイモとカボチャが届いた。イモはかなり多く、カボチャは大6個。それぞれダンボールを一部膨らませて入っていた。積丹町の妹からで、近くの親戚からもらったもののおすそ分けだという。おすそ分けのことをお福分けともいうそうだが、まったくうれしい限りである。子どものときから食べ慣れているあのホクホク感は道産子品にかなわないと密かに思っている。
 
 子どもの頃に我が家は漁師であったが、自分の家で食べる分のジャガイモやカボチャ、大根などは山の畑で作っていた。ちょうど今頃の時期には漁に出ている父親を除く家族総出で収穫に行ったものだ。母親の実家が隣だったので、祖母や母の弟妹たちも一緒に手伝ってくれた。叔母は小生の学年が一年上がるごとに背負う荷物を重くして、「さぁ、がんばれ~!!」と最初は立ち上がるのを手伝ってくれた。
 
 汗ダラダラになりながら何回か畑と家を往復したらあっという間に夕暮れになる。積丹半島は西部にあるのだが、それでも秋のつるべ落としにはかなわない。ジャガイモとささぎ(さやいんげん)の味噌汁、ガヤの煮付け、白菜の漬物。これが夕飯の献立だった。これでごはんを何杯もおかわりしたのだからカワイイモノだった。明日父が漁から戻ってくれば新鮮な刺身がつくだろう。何の魚か、楽しみだった。
 
 今朝の青空を見ていたら、そんなことをぼうっと思い出した。母の法事がおとといあったが、都合と体調の関係で行けなかった。前後に何回も弟妹と電話で話したので、そんなことを回想したのだろう。北海道はすでに晩秋から初冬の気配のようだ。ジャガイモのお返しは、さつまいもである。家人が毎年、近くのスーパーに頼んで送ってもらう。弟妹たちはさつまいもがうれしいという。もう少しで送るから…。