「答一発」、カシオミニ40周年

   「答一発」の電卓・カシオミニが発売40年を迎えた。けさの読売コラム「解」にそうある。小生が社会人になった翌年(1972年)夏にカシオ計算機が発売した。手のひらサイズの横型で重さ315g。単3電池4本を動力源にした。「世界初のパーソナル電卓」として売り出し、それまで企業向け製品のイメージだった電卓が個人にも普及する契機となった。一方、電卓市場の価格破壊の皮切りともなった。
 
 「調べてみたら電卓市場は、意外にもまだ大きい。2011年の出荷台数は国内向けで約600万台、海外向けはこの10倍以上になる」(同コラム)とある。微減傾向だが需要は衰えていないし、細かい改良も進んでいるという。海外向けはまだ狙いどこなのだ。電卓は液晶ディスプレーや太陽電池など当時の先端技術を取り込んできたデジタル産業の『草分け』であり、電子機器の『元祖』であった。
 
 この数字オンチがかつて交際費や交通費の計算でどれほどお世話になってきたことか。こんな物思いにふけっていたら、朝日・教育面に「海外の数学、電卓は当然~11カ国の教科書調査」との記事が目についた。「ほとんどの国の教科書で、電卓やパソコンの表計算、作図ソフトなどデジタル機器を使った内容が頻繁に登場していたが、日本の教科書ではデジタル機器の扱いがほとんどなかった」―調査に携わった静岡大学の長崎栄三教授は次の通り指摘している。
 
 「日本は手を使った計算や作図を重視してきたが、デジタル機器を使ったほうが効果的な場合もある」、「デジタル機器をうまく使えば、作図や計算の労力は最小限にして考えることに集中できる。もっと活用を考えるべきだ」。同感だ。正直な話、いまほとんどの若い人たちExcelを容易に使いこなすが、このジジイは上手くできないで途中で投げ出してしまう。脳の仕組みがそうなっていないのだ。困ったものだ!?