白洲次郎の孫、都知事選に出馬か―

 白洲次郎――謎が多い人物である。この人物に関する一次資料はほとんど現存していないといわれ、実像は不明だ。身長すらNHKその時歴史が動いた」では185cmと紹介したが、白洲自身がGHQに提出した身上書には175cm、65kgとかかれているという。忘れたころにマスコミに登場して、そのイメージは一種『神話化』されていく傾向がみられる人物だ。先日のNHK吉田茂ドラマ(渡辺謙主演)でも、白洲を谷原章介が器用に演じた。その「白洲次郎の孫が都知事選出馬の方向だ」と、産経新聞が報じている。
 
石原慎太郎東京都知事の辞職に伴う都知事選に、吉田茂元首相の側近として知られる白洲次郎氏の孫で文筆家の白洲信哉氏(46)が出馬の方向であることが28日、関係者の話で分かった。白洲氏は25日、「健全なる保守主義」を基盤とした政界再編の後押しを目的とした政策勉強会「日本の選択」を設立し、代表に就任していた。同勉強会は脳科学者の茂木健一郎氏が共同代表を務め、弁護士や若手経営者ら約20人が名を連ねている。徳川宗家19代目で政治・経済評論家の徳川家広氏、三菱財閥を創始した岩崎弥太郎の玄孫の木内孝胤衆院議員らもメンバーで、白洲氏が都知事選に出馬した場合、支援に回るとみられる。白洲氏は昭和40年、東京都生まれ。母方の祖父は、文芸評論家の小林秀雄氏。細川護煕元首相の公設秘書を務めた経験がある=
 
 12月半ばに都知事選が行われるというが、石原氏による知事投げ出しの後だけに今度は堰を切ったように有象無象の輩が出馬宣言するだろう。石原氏の「猪瀬指名」など何の意味も持たないはずだ。都知事選が年末の「有名人」選抜選挙合戦になり、また「テレビレポーター」が走り回る師走になる。これに総選挙がらみの政局騒動が「橋下維新」、「石原新党」でさらに混迷の度を深める。都政、国政ともに年末大売出しのイベントに終わらせて、あまりにも劣化しすぎた惨状にならないことを願うのみだ。さもないとこの国が折れて砕ける。