サイボクハム創業者死去

  朝日・埼玉西部版の訃報に、サイボクハム創業者・笹崎龍雄さん25日死去とある。氏名は知らなかったが、サイボクハムは埼玉のこのあたりでは有名で、我が家でもよく遊びにいった。最近では一つのテーマパークにまで発展した。笹崎氏は「1946年に、旧高萩市(現日高市)に養豚場を開設した。自社牧場飼育の豚を使って国内有数のハム・ソーセージ生産加工会社に育て上げた。老衰で死去、96歳」。
 
サイボクハムは食と健康のユートピア(=ミートピア)を創造するとのテーマで、さまざまな施設が複合されている。ミートショップ、レストラン、野菜売り場、食べもの屋台、温泉施設などがまとまってある。このため高齢者や子供連れの家族での来場者が圧倒的に多く、年間400万人も訪れるそうだ。駐車場はいつも満杯状態だ。子どもたちは動き回る子豚を眺めていて飽きない。
 
埼玉西部地域の住民の遊び場なのだ。手軽に出かけて食を楽しみ、健康を増進し、気持ちをリラックスさせるには絶好の場所になっている。家族や仲間でプラプラと散策しながら見て回る。小腹が空いたらソーセージでもアイスでも買って、鯉や金魚のいる池の周りに座ってくつろぐ。我が家から車で20分ぐらいなので、子どもや孫と一緒に何回行ったことか数え切れないほどだ。
 
それにしても戦後早々に街からかなり外れた場所に養豚場を作った笹崎さんは、一代で世界に通用するハム・ソーセージ会社を作り上げたのだ。いまでは地域の人々の「安らぎスポット」として人気を集めている。楽しくて、食べ物がおいしければ人々は集まってくる。もちろん、手軽で安いことも大事だ。こうして集客して、高級ハム・ソーセージを買ってもらい、レストランでそれなりの食事をしてもらえれば御の字のはずだ。戦後をたくましく生き抜いてきた地方の経営者に敬意を表す。