門仲「魚三」で飲んだー

   きのう夕方、昔の同僚F氏と門前仲町で待ち合わせた。生粋の江戸っ子で「ヒサスエさん」ではなく「シサスエさん」と小生を呼ぶ。かつて二人でベロベロになるまで飲み、東陽町の彼の家に何回も泊めてもらった。奥さんも同じ会社の後輩だった。仕事突進時代で、良く遊びもした。小生の不器用さを彼の洒脱さがカバーした。良いコンビだった。
 
   地下鉄改札を上ったらすぐ、大衆酒場「魚三」に入ったが、二階はすでにギチギチに混んでいた。様子を見に先に入った彼が出てきて「大丈夫です」と奥まった良い場所を二人分確保してくれていた。さっそく新鮮な刺身を注文して、生ビール大ジョッキーで乾杯した。このジョッキーの大きさはまったく昔サイズである。それを見た瞬間、改めて驚いた。
 
   これを飲み干せばそれだけで水分取りすぎになるので三分の二で止め、小生も彼が始めたコップ酒にした。秋刀魚とソイの刺身類からアナゴの白焼き、メゴチとキスの天ぷらと頼んで、ゆっくりと大衆居酒屋独特の猥雑さを楽しんだ。「この店は界隈で知らないシトはいない」ほどの有名店だそうだ。安いし、新鮮で文句なしだ。彼は常連なのだ。
 
   二人のオバハンが注文を聞いているが、ただ者ではない。態度が200%くらい大きい。客は身を寄せ合うように座り、ふたりオバアのいうことを聞きながら、そのキツイ口調を楽しんでいた。彼の案内で富岡八幡宮に行き、佐川清氏が寄進した巨大な御神輿や横綱力士碑、力石などを見ながらホロ酔い散策した。仲見世通りであの「筑定の佃煮」を買ってくれた。