札幌「海鮮居酒屋・大助」、「ヴィンテージワイン・れざん」

 24日夜、井原社長の案内で「海鮮居酒屋・大助(おおすけ)本店」(南6条西4丁目)に行った。先ほどまでの会社での質疑応答に続く懇談会になった。テーブルには毛蟹、ぼたん海老、生ウニなどの刺身盛りが並べられた。井原さんは魚介の専門家なので、話の一つ一つが具体的で納得がいく説明をしてくれる。魚の生態や、料理の仕方などを楽しく語る。こうした話はわれわれ取材陣にはとてもありがたい。料理の味は文句なく美味だった。毛蟹のさつま揚げもいただいた。合わせる酒は増毛の「国稀(くにまれ)鬼ころし」。スッキリした喉越しで辛口。魚介料理にはぴったりの酒だった。
 
 日本酒が程好く効いてお腹も膨らんできたので、場所を変えることになった。「れざん」というヴィンテージワインの店だ(南3条西3丁目)。井原さんがワイン通であることは知っていたが、この店ではじっくりとワインを味わった。井原さんとオーナーソムリエの平さんが話し合って決めたのが、1947年もののボルドー産。もちろん赤である。なんと小生が生まれた年に仕込まれた年代モノの極めつけだ。ビックリした!!その1.5リットルボトルのコルクを開けるのが一苦労。65年も経過していて、コルクが脆くなっているからだ。二人はいろいろ工夫しながらさまざまなオープナーを使いながら開けた。
 
一瞬、スーとボトルに空気が入る音がしたと思ったら、ワインの芳醇な香りが広がった。平さんがテイスティングをした後に、大きなワイングラスに注いでくれて全員であらためて乾杯した。このようなワインの味はもちろん素人の自分は飲んだことがなかった。新しいワインにある生々しさがまったくなくなり、上品な香りと蜜の味ともいうべき味わいを醸し出していた。赤ワインでもこんな味になるのだ!! 驚いた。65年間熟成してきたワインだけが持つ葡萄と時間の融合は、自分の人生での貴重な体験になった。和やかなワイン談義が続いて札幌の夜は更けていった。(続く)