養老乃瀧池袋南口店

 名古屋駅前にある「大名古屋ビルヂング」が3年後に超高層に生まれ変わる。「その八丁みそのように濃い名が継がれることになった。大の響きも、ビルヂングもやぼったい。だが、解体を終えた秋の回顧写真展では『名前だけでも残して』の声が相次いだという。かくて家主の三菱地所が思い切った」。今朝の「天声人語」にそうある。
 
ヂという表記は、外来語のDIをヂ、ZIをジと書き分けたころの名残のようだ、という。 「東京駅前の丸ノ内ビルヂングは10年前の建て替えで丸の内ビルディングとあか抜けした。同じ所有者が、東京で消した名を名古屋では残す。洗練をよしとする江戸風に対し、わが道をゆく尾張流」とも書いている。
 
これほど大袈裟ではないが、居酒屋「養老乃瀧」に思いがいった。この店名も古めかしい。依然「養老の滝」ではない。ここ数年、同級生や友人の飲み会に「池袋南口店」をよく使う。かつて地元の養老店で頼んだ焼き鳥がきわめて不味かった、そんな印象が変わった。今では予約して掘りコタツ席を取っておく。メニューは安くて、新鮮だ。そうでなければこんなに混まない。
 
開店早々小父さんたちで満員になる。飲み代が安くあがるので、ジジ、ババ・グループの憩いの場になっている。だから店名は「養老乃瀧」と変わっていない?? 息子に聞いたら「会社の飲み会でたまにつかうこともある。昔とは違うよ。それなりにメニューも若者向けにしている」とのこと。近く親しい友人たちとここで忘年会をやる。帰りの電車の改札口からも近いのだ。