「天ぷら数の子」「スプーンかずのこ」

 水産ジャーナリストの梅崎義人さんが水産・食品業界紙「みなと新聞」11月21日付を送ってくれた。1面トップに「大阪本場塩数の子初入札 井原水産(米国・カナダ産特大・大)最高値キロ9500円」とある。「1割前後上げ応札」、「アメ・カナ物のブランドメーカー上級品や北海道前浜産が希少価値から前年並みもしくはやや値上がり」の内容だ。
 
 年末の風物詩でもあるこの初セリ模様は一般紙でも報じられていた。読売、産経などの写真に「ヤマニ 井原水産」と書かれた化粧箱が写っていた。井原水産の商品がトップブランドだと知ってはいたが、このように具体的に記事で示されたのはうれしい。会場では、味付け数の子に衣をつけて揚げた「天ぷら数の子」の試食・調理実習も行われたという。
 
今後の消費の本丸となる一般需要向け販売をみすえた取り組みが本格化してきた。数の子を「おせち」から「通年商品」に広げる工夫がさらに求められている。先日、井原水産を取材したときに、お歳暮用の塩数の子を箱に詰める熟練の技を見せてもらった。それに加え、パスタ料理やパンにつかって食べる「スプーンかずのこ 」などは、新しい感覚だ。新レシピ開発と普及がカギになる。