日本酒「北海熊ころり」

   読売朝刊「語る―日本再生」に「『國酒』世界に売り込め」とある。はせがわ酒店社長・長谷川浩一氏がインタビューに答えている。12、13年前から世界に目を向け、全国各地の小さな蔵元から良質な日本酒を販売させてもらってきた。そう語っている。「日本酒はインフォメーションの提供が全然できていない。30年前はワインなんかちんぷんかんぷんだったけど、ワインのインフォメーションがあったから勉強できた」と海外に向けた積極的なPR発信を提唱している。
 
政府の協議会が2012年9月に日本酒や焼酎を「國酒」と位置づけて輸出促進を図るプログラムをまとめた。長谷川氏は「海外から賓客が来たら乾杯はシャンパンでなく日本酒にしてもらったり、海外の大使館もワインだけでなくたくさんの日本酒を使用したりしてほしい」とも述べている。われわれの日常生活から日本酒は消えてしまった。当然、飲む機会も少なくなって、若者たちは振り向きもしない飲み物になってしまっている。冠婚葬祭でも日本酒の存在感はほとんど霞んでいる。
 
乃南アサ氷雨心中」は酒造りの物語で、杜氏と蔵人が主人公のミステリーだ。酒造りをかなり取材して書いている。本来、酒造りは閉鎖社会の中で行われてきた。そうした蔵元に急に海外に目を向けろと言ってもできるわけがない。長谷川氏のような橋渡し役が必要だ。彼が言うように「日本酒は世界に通用する『うま味』と『手作り感』がある」。そういえば酒に詳しい井原水産の井原慶児社長が「北海熊ころり」(山二わたなべ・北海道小樽市を海外に紹介したいと話していたなぁー。