自分にとって「一つの時代が終わった!」

 今朝、元の会社の同僚から「N社長が亡くなった」との連絡を受けた。同僚とは昨年11月に10年ぶりに再会して喜びの杯を交わしていた。彼からお通夜と告別式の予定を教えてもらった。今朝の読売経済面の訃報に出ていることも。N氏は73歳だった。数年前から体調を悪くして入院状態だったと聞いていた。少し暖かくなったら夫婦でお見舞いに行こうと話していたのに・・・。新聞を読んでいたのを止めて、30分近く呆然としていた。スカウトされて30歳から8年半、お世話になった。
 
 この時期は自分の一生でもっともハードに働いた時期だった。毎朝6時の急行で出勤して、深夜に帰宅した。会社に着くとまず一般紙・経済紙・工業紙・業界紙など約15紙をチェックした。N氏は「情報はスピードが第一、かつ質的に優れたものを」が口癖で、厳しく指導を受けた。自分の仕事スタイルはこのときに身についたもので、基本は今でも変わらない。若かった勢いで、ずいぶん反抗もした。懐かしい思い出になってしまった!!
 
 銀座の「クラブ」活動を教えてくれたのもN氏だった。社内イベントには食事会を行い、一流店に社員を連れて行った。社員旅行も驚くほどのツアーだった。われわれ社員が喜ぶのを見て、喜んでいた。こうした面と厳しい面が交錯してN社長という経営者がいた。10年ほど前に東京會舘で「創立30周年パーティー」を行い、多くの参加者があった。その後、経団連会館ですれ違って言葉を交わしたのが最後になった。一つの時代が終わった。黙祷。