ドカ雪の成人式

今朝の「産経抄」は次のように終わっている―▼「あゝけれども今朝は新らしく 私は昨日の私でない。つめたい雪におののき 思ひさとく私は微笑む 黒い顔のまつ毛もまぶしく」。雪国生まれの文学者の一人、伊藤整が二十歳ごろに書いた詩「雪の来る朝」の一節だ。新成人のみなさんにとって、昨日までとまったく違う、忘れられない一日になったのではないか。
 
昨日朝、ブログを書き始めたころから雨が大粒の雪に変わった。書き終えた10時過ぎには地面は白く盛り上がっていた。「ウヒョ~、ウソ!!」としばらく眺めていた。本格的な降り模様だった。天気予報は当たったが、これほど積もるとは伝えていなかった。病院にいく日なので、いつもよりガッチリしたクツを履いて帽子をかぶって出かけた。「埋まるよ―」、歩きながらそう呟いてみた。
 
テレビニュースがはしゃぎながら画(え)にしていたのが、成人式に向かう晴れ着姿の女性だ。せっかく髪を上げ、着物をめかしこんできたのに傘が役立たない。(それにしても近頃の晴れ着はデザインも色づかいもド派手だなあ!!)。ばっちりメイクした少女の顔に雪があたって融けていく。マスコミは「嵐の中の門出」と叫び、新成人の女性はマイクに向かって「大人になるための試練です」と答えていた。