「アベデュケーション」

   「アベノミクス」の次は、「アベデュケーション」だという。教育再生実行会議の発足を受けて、朝日社会面が「『アベデュケーション』始動」と見出しをつけている。ツイッターでは一部ですでにこの言葉が使われ始めている。「教育は日本国の最重要課題」とする安倍晋三首相と下村博文文科相が、「子どもたちが夢や希望を持てるように日本に生まれたことに誇りを持てる教育にしたい」と教育改革議論を始める。下村文科相は昨日の記者会見で、公立小中高校の土曜授業を復活させる学校週6日制導入に向けた検討を始めると表明した(読売)。
 
 安倍首相の経済再生策「アベノミクス」は当初、評価する意見が多かった。しかし、ここに来て、3本目の矢である「成長戦略」と、財政健全化にむけた展望に懸念を示す論調がマスコミ各紙で目立っている。2012年度補正予算案が13.1兆円で、過去2番目の大型になるからだ。安倍首相は「×バラマキではない」と表に書いて説明していたが、具体的で的確な国民への説得が問われている。民主党政権の「決められない政治」からの矢継ぎ早の政策転換は注目されるが、いま第一に丁寧さが求められている。
 
 下村文科相は大変苦労して大学を卒業したと語っている。「それで文科大臣になりたかった」そうだ。志は良しとするが、そのことを大袈裟に言い過ぎれば大臣の人格が透けて見える。教育は百年の計、まさしく日本再生のカギとして知者の意見を求めて「骨太の教育理念」を打ち出してほしい。昨夜のNHKクローズアップ現代」で、教師を生徒や父兄が評価する仕組みを取り上げていた。自分のつたない経験から言えば、成功者は「教育」と「防衛」にとかく口を出したがる。こうした烏合の衆の思いつき発言には注意が必要だ。