「OHガッツ」と「馬頭高校のモロコ養殖」が年度賞~水産ジャーナリストの会

昨夕、「水産ジャーナリストの会」(岸康彦会長)定期総会に出席した。N事務局長がかねて出席を呼びかけてくれていた。昨年、7月に同会で井原水産・井原慶児社長が講演を行った際にお世話になった。マスコミ農水担当論説委員、同OB、水産業界担当記者などで構成されている。定期総会では「年度賞」の贈呈式が行われる。過去一年間に水産関係で新たな視点から目覚しい活動を行った個人・会社・団体が選定されて、表彰される。今回の受賞者は、「OHガッツの活動」と「馬頭高校のモロコ養殖」であった。
 
OHガッツ」は宮城県石巻市雄勝町の株式会社で、カキ、ホタテ、ホヤ、銀鮭の共同養殖事業、加工・販売事業をめざす。あの3・11大震災と津波の大きな被害を乗り越えて共同事業として立ち上げ、現在、株式会社に改組して積極的な販売活動を展開しつつある。仙台市でのイベント企画をはじめ全国都市での直接販売をめざしている。伊藤浩光社長は受賞挨拶で「震災で大痛手を受けたが、雄勝のカキなどの養殖事業を何とかしたいとメンバーが集まった。東北の美味しいカキの本格販売に取り組んでいきたい」と熱く語った。
 
「馬頭高校のモロコ養殖」は栃木県那須郡那珂川町にある県立馬頭高校による養殖事業への積極的な取り組みが評価された。同校にある淡水での増養殖を学習できる水産科は全国でも唯一。2010年5月に孵化(ふか)に成功したホンモロコ(コイ科の高級食材)の養殖技術が町や地域住民を巻き込んだ町おこしにつながっている。田代和義校長は「水産科の生徒たちは『ホンモロコをもっと多くの人に知ってもらい、町の名物になれば』と夢を膨らませている。ウナギやトラフグ、ナマズの養殖技術にも成功している」と述べた。