「火天の城」(安土城)

 昨夜、BS朝日で映画「火天の城」(監督:田中光敏)を観た。織田信長から安土城築城を命じられた尾張・熱田の宮番匠(宮大工たちを率いる総棟梁;西田敏行)の仕事にかける姿を描いた作品だった。山本兼一氏の小説を原作とした映画で、2009年に公開された。原作は第11回(2004年)松本清張賞を受賞。
 
 かつてNHKスペシャルで、幻の城といわれる安土城の発掘調査が進んでいるとの番組を観た。琵琶湖の突き出た安土山に天下一の城をつくるとの信長の野望が解き明かされていく内容だった。つい最近も、この安土城築城と大型武装船の建造で視覚的に自らの権威を誇示しようとする信長の狙いを描いた番組を観た。
 
 50歳前後の頃、滋賀県に単身赴任していた友人A君を京都出張の帰りに訪ねたことがある。その社宅に一泊した翌日、彼が琵琶湖ほぼ一周のドライブに連れて行ってくれた。当時、彼は歴史物にはまっていた。宮城谷昌光などの小説を好み、歴史的に要衝である琵琶湖周辺の城についても詳しかった。
 
 長浜城彦根城、そして、安土城と回った。安土城跡に行ったとき、やはりこの地が歴史の渦中にあったことを思った。下から幅5~6メートルもある直線の大手道を登っていくと、左側に羽柴秀吉邸跡との看板が出ていた。偉い人ほど城に近い上部に邸宅があるから、秀吉がまだ中ぐらいの時期だと分かった。
 
 それにしても、この坂道を上り下りした武将や家来たちはなによりも足腰が強くなければ、山頂の城には早くたどり着けなかったはずだ。明らかに「短足有利」だったのだ。(発見したのは、それだけカイ??)