「松井秀喜インタビュー」

 昨夜のNHK「ニュースウォッチ9」で松井秀喜氏のインタビューを観た。ときおり少しだけ笑顔をみせながら、「部屋の家具に気がついたり、掃除しなければと汚れが気になるようになった」と語っていた。こんなことは今までなかったという。そうだろうな、と思った。松井氏の第二の人生がいま始まる。
 
 松井秀喜=求道者=球道者のイメージだった。長嶋茂雄氏の華やかなオーラ伝説の対極にいる松井の姿勢と言動は、日本の武道の精神に通じる。ストイックな野球観は、彼の眼のすべてが現している。インタビューの折々で、TVカメラはその眼が少し潤んでいるのを捉えようとしていた。観ている方も涙がにじんできた。
 
 長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の「師弟」に国民栄誉賞が決まり、今朝の読売は一面トップなどお祭り騒ぎで多くの紙面を割いている。小生も何回か読み返すことになるだろう。それだけの価値がある「二人」だ。これで巨人軍の「ポスト原」が松井で見えてきた。それも長嶋氏が健在で、その威光が減少しないうちに実現するだろう。
 
 低迷する日本のプロ野球に熱気を蘇らせるために、この「師弟」の登場は不可欠だ。ファンにもう一度あのダイヤモンドの栄光を見せてほしい。インタビューで「チームの勝利を最優先してきたと自負できる」と語っていた。そう思う。これからは人間や周囲を観る眼を磨いて、巨人軍に戻ってくることを期待したい。