新撰組・斉藤一の妻

 昨夜のNHK歴史秘話ヒストリア」で新撰組斉藤一を取り上げ、松平容保候との堅い絆を紹介していた。いくつかの知らないことを教えてもらった。以前にも書いたが、やはり魅力のある男だ。クセのある人物だが、その陰影に筋が通っている。また「八重の桜」を観る視点が増えたので、うれしい限りだ。
 
 その一つが貫地谷しほり(かんじや・しほり)の役回りである。山本八重の一歳年下で無二の親友という設定。山本家の隣家であった大目付・高木小十郎の長女・時尾役を演じている。照姫の右筆(書記)を務めることになった場面も良かった。この時尾が、斉藤一の妻になる。人の一生とは本当に奇妙のなせる技である。
 
 会津戦争での籠城戦で、ケガ人の手当てに当たったという。男装して出撃する八重の髪を切ったのがこの時尾である。敗戦のあと、藩士たちのなきがらを埋葬するのに尽力したともいわれている。青森・斗南に移住した時尾は東京で藤田五郎と改名した斎藤一と結婚する。昨夜のヒストリアでは松平容保が仲人をしたと伝えた。
 
 土方歳三司馬遼太郎燃えよ剣」で大ブレークしたが、すでに時代は斉藤一ブームだろう。「孤高でニヒル、謎の多い」斉藤一は、若者の一つの憧れになっている。映画「壬生義士伝」の佐藤浩一は適役だった。オダギリジョー江口洋介斉藤一よりはちとリアルだった。今回、降谷建志もなかなかの雰囲気を出している。