「弘前やっと桜満開」だが、北海道は…

 弘前ようやく桜満開」だという。読売や毎日が報じている。寒さのために約2600本のソメイヨシノの満開が遅れた。「4月28日の開花から満開まで9日かかったのは最長という」(読売社会面)。弘前城の桜は一度だけだが、見に行ったことがある。満開の桜の渦に体が飲み込まれたような錯覚を起こした。とにかく艶やかだった。
 
 一方、北海道は依然として冬状態。一昨日は帯広で、昨日は北見で本格的な降雪があり、TVニュースが降りしきる雪の街を映していた。岩見沢の先月の日照時間は記録的に少なかった。もう灯油が売れなくなる季節なのに、注文の電話がせわしく鳴って配達車が給油していた。高い灯油を「節約して焚いている」と老人。
 
 昨夜、札幌の妹に電話したら「寒いけど、来週には円山公園の桜も咲き始めるでしょう」と、願うように話していた。積丹の上の妹は「朝晩は特に寒いよ。浜風が強くて大変だ」と半ばあきれ声だった。「6月上旬に行くから」と伝えたら、「いくらなんでもその頃には少し暖かくなるでしょうよ」と笑っていた。北国の人たちは強い。
 
 我が家の軒下に咲いていたスズランはとっくに終わったのに、埼玉から道央までは遠いのだと実感する。NHK朝ドラ「あまちゃん」の冒頭場面の波と岩、防波堤に、故郷・古平の浜を重ねあわせながら観ている。川でも海でも水や波が動いているのを眺めていると、だいぶボロボロに劣化(老化)してきた魂が癒されるのだ。