北海道のスルメイカ不漁、海水温度高くて

スルメイカ今年も不漁 過去10年で最低の恐れ 北海道周辺の海水高温、漁場できず北海道新聞8月27日朝刊掲載)
 
 【道内のスルメイカ漁が振るわない。道漁連(札幌)の集計によると、6月から釣り漁が始まったスルメイカの水揚げ量は8月21日現在で前年同期比17%減の9001トンで、このペースでいけば2年連続の不漁がほぼ確実な情勢だ。北海道周辺で海水温が上昇し、道南、日高などで漁場形成が進んでいないためとみられ、漁業関係者は「残暑が厳しくならず海水温が下がってほしい」と水揚げの挽回を期待している。(中略)「このままでは今年1年間で5万トン前後にとどまる恐れもある」(道漁連)。その場合、昨年実績の7万トンを下回り、過去10年で最低となる。
 
 北海道いか釣漁業協会(札幌)によると、スルメイカが好む海水温は12~17度で毎年適温を求めて本州の海域から北上してくる。道立総合研究機構函館水試の沢村正幸研究主任は「函館、日高などで不漁なのは海水温の上昇が一因。道東海域で既に多く漁獲されているとすれば通過が早かった可能性も否定できない」と説明。札幌管区気象台によると北海道周辺の海面水温は6月中旬から平年を上回る傾向となり、8月中旬の平均は太平洋側が平年比2~3度高い19~20度、日本海側は1~2度高い23~24度だった。】
 
 北海道・積丹半島沖には秋イカを狙う漁火が断続的に水平線をなぞっている時期だ。子どもの頃からこの明かりがはっきり見える晴れた夜が大好きだった。イカ釣り船のあの光に「漁師の一発勝負の潔(いさぎよ)さ」を感じていた。
 
 昔は今のように大型巻き上げ機で大量に獲る漁法ではなかった。漁師一人ひとりがイカ付け道具をもち、鉤状の針を自分で工夫して釣り上げた。親父には親父の長年の技があり、出漁する前に玄関先に座り込んで微妙な細工を施していた。
 
 最近、自分の顔を鏡で見ると、父親の顔に似ている。52歳の父の顔に66歳のオレの顔が一部重なる。道新記事を読んでイカ釣り船の漁火を想像し、親父を思い出した。しかし、「日本海の水温が太平洋側より高い」のを初めて知った。驚いた。