「Cちゃん、ぱんじゅうこわい」

 昨夜、「ぱんじゅう」という言葉をみつけて、びっくりした。NHK鶴瓶の家族に乾杯」(夕張編、後半)で薬師丸ひろ子が街中を歩いた時に、「ぱんじゅう」の看板が映った。あの子どものころに食った餡子(あんこ)が入ったお菓子(?)。自分の記憶からものすごく遠くに飛んでいってしまっていた言葉が、ふいに飛び込んできた。
 
 えーっと、ホットケーキとカステラを足して2で割ったような薄皮の中に、甘い餡子がびっしり入っていたような感触?! ―ところが思い出せない。どこで「ぱんじゅう」を買ったのか、どこで食べたのかが、脳内から削除されてしまっていた。「ぱんじゅう、ぱんじゅう」と何度もつぶやいてみたが、まったく駄目だった。
 
 ネットで調べたら、北海道では小樽が発祥の地だという。いま、小樽市内と札幌の狸小路で売っていると説明があった。どうやら昭和レトロの「新スイーツ」として再び注目されているようでもある。自分はとてつもなく甘党でもあるので、すぐに食べたい。札幌の妹に頼もうと思うが、この暑さでは日持ちしないだろう。
 
 札幌でタクシー運転手をしているCちゃんに、「ぱんじゅうこわい」と連絡をしてみるか? 「まんじゅうこわい」という落語の演目がある。そう仲間に伝えて、まんまと買ってこさせて、たらふく食べる。仕上げに「お茶がこわい」と伝える有名な噺(はなし)だ。彼は(柳家)小さんや(立川)談志の口真似で、よく「こわい」ジョークを言ってた。