われわれ兄妹の「9.17」

    一昨日から妹二人が、礼文島利尻島ツアーに出かけていた。たった今、「礼文から利尻に行って、今日、飛行機で新千歳空港に戻る」との連絡が入った。二泊三日の念願の旅で、二人でこれまでいろいろと準備をしてきた。
 
礼文島とロシア・沿海州の中ほどにある武蔵堆(むさしたい)という漁場で、われわれ兄妹の父親が事故死した。遺体は上がらなかった。慰霊の礼文・利尻行きだった。自分も本当は参加したかったが、体の都合でどうしても行けなかった。
 
昨朝、礼文の港から沖合いを撮った写メールが届いた。昨夕は、父の好物だった羊羹、お茶、タバコと花などを礼文の浜に並べてお参りした、とのメールを受信。父の出身地・江差町の銘菓「御勝手屋羊羹」、弟が持たせた「ハイライト」などだ。
 
今回のコースは、まず札幌から稚内までは高速バスで6時間。最近、JR北海道が事故続きなのでバスにしたという。留萌から稚内までは日本海沿いに行く。稚内から礼文まではフェリーで2時間弱。今朝、フェリーで利尻に渡って、同空港から新千歳に戻ってくる。
 
父が亡くなったとき、妹二人はまだ高校生だった。それから40年以上が経って、礼文・利尻ツアーが実現した。次は、自分と弟の番だろう。われわれ兄妹にとっては1968(昭和43)年9月17日は「生涯忘れることができない一日」なのだ。