「巾着田の曼珠沙華」(埼玉県日高市)

   我が家の居間のいちばん目の付く所に巾着田 曼珠沙華 (彼岸花)」が真っ赤に群生している。某製薬会社のカレンダーの9月の写真で、「埼玉・日高市」とある。「巾着田(きんちゃくだ)」は日高市にあり、隣の坂戸市の我が家から車で15分ほどのところだ。そんな季節になってきた。
 
巾着田」は元々、高麗(こま)川の側に大昔から開墾された水田だったが、現在は休耕田で公園化された。季節の花々を楽しめる自然公園で、曼珠沙華の時期は周辺が車で大渋滞になる。巾着田曼珠沙華公園」として2005年から曼珠沙華の開花期間中は入場料を徴収している。
 
この辺りは朝鮮半島から渡来した高句麗(高麗人)が八世紀初めから住んだ場所で、高麗神社はその象徴である。渡来人は時の朝廷から優遇されていた。以前、日高市に住む作家のF氏が案内してくれたが、その雰囲気は「パワースポット(出世する)」として名高いのが分かるようだった。
 
 日高市狭山市から東松山市にかけては気候が温暖で、高麗川都幾川など水に恵まれている地帯だ。米、お茶、果物が豊かにできる土地柄で、ほぼ平坦に広がっている。渡来人たちがこの地に根付いた理由が分かる。秩父地方も元来、朝鮮半島からの渡来人が開いた街である。