昨夜の安倍首相のTV番組印象

 はっきり言って、昨夜のNHKニュースウオッチ9」に出演した安倍晋三首相は疲労困憊しているように見えた。夕方の記者会見の時と比べて顔色が明らかに悪かった。番組が進むにつれて、その顔色はむしろ青ざめていった。「安倍さん、具合が悪いんじゃないのか」と言ったら、医療関係者の家人が「声にも力が感じられない。疲れすぎじゃないの」と述べた。番組中の印象だが、大越キャスターの切込みがいつもよりお手柔らかに聞こえた。首相の体調が最後までよくもったと思った。
 
 夕方の記者会見はメモを取りながら観ていた。最初の首相の言葉が長すぎた。国民への丁寧な説明を心がけたのは分かるが、結局、消費税が5%から8%に引き上げられる肝心の理由が拡散してしまった。「未来への投資」であり、「経済の好循環をつくる」ことを強調したが、長州藩吉田松陰のエピソードは不要だった。それらの引用より、国民に対する協力要請を必死で語るべきだった。アベノミックスの追い風や「検討の儀式」を経てきたことからか、熱意は伝わってこなかった。
 
 テレビ東京WBS」では小谷、進藤両キャスターの鋭い質問に、首相はときどきオタオタしている感じを与えた。両キャスターは毎日、最新の経済動向について語っている。首相発言のテロップが入っていたので、すぐ録画だと分かった。今朝、新聞で確認したら午後7時33分からインタビューしていた。両キャスターの質問に、記者会見の発言を繰り返し、所得減税についての質問などには対応しきれなかった。小谷キャスターが「記者会見を引きずっていたようだ」とコメントしていた。