奥様を亡くしたTさん、中国に戻る決意

   先月25日に奥様を亡くされた友人・Tさんから電話があり、お昼を一緒に食べた。彼は中国・西安日本語教師を務めていて、一時帰国している中での奥様の緊急入院と逝去であった。27日の葬儀には都合が悪くて参列できなかったので、翌朝の出棺式に参加して斎場まで家人とともに同行した。
 
昨日、彼は小生に「15日(火)に中国に戻ることにした」と述べた。周囲の人から「行くのが早いね」とか「切り替えが早いね」とも言われるそうだ。しかし、自分の人生を決めていくのは自分自身なのだから、Tさんの判断を小生は尊重する。西安日本語学校から再三、「いつ戻れるか」と要請されてもいた。
 
契約は来年二月まで。代わりのスタッフがいないので、行くことに決めたという。奥様の死亡に伴うさまざまな役所の関係、保険の関係などの手続きが昨日およそ終わったらしい。これまでのこわばった表情が少し取れていた。食事が終わってお茶を飲みながら、Tさんはしみじみと語った。
 
「○○子が亡くなって、病院から容態急変の電話がいつあるか分からない緊張感からは解放された。妻の死から10日余り淡々と対応してきた自分自身を、冷たい人間なのではと少し責めていた。昨夜、久しぶりにウイスキーを飲んでいたら、突如、涙が溢れてきた。淋しかった。自分でも驚くほどの大声を出して長い時間泣いた」