大阪の「たぬきそば」?!

 エッ、大阪では「きつねうどん」が化けて「たぬきそば」なの?! 今朝のNHKあさイチ」で船場の食べ物を取り上げ、油揚げ入りの「きつねうどん」のうどんがそばになったら「たぬきそば」だと。関東では「きつね」は油揚げ、「たぬき」は天カスと決まっている。大阪では「きつねうどん」の白いうどんが黒っぽいそばに化けたら「たぬきそば」になるらしい。
 
 大阪には取材出張でよく通ったが、食べものの値段が驚くほど安い。東京の値段のほぼ半分近い感じがする。50歳前後の時に某経済団体事務局の仲間にあちこちの美味しい店に連れて行ってもらった。ある日、ビル地下の古い居酒屋で讃岐うどんブームの話になって盛り上がった。突然、ある人が「あんな歯が折れるような硬いうどん―」と鼻で一言。
 
 彼の部下連中があわてて、「久末さん、これから我々がミナミの吉本の若手芸人も来る店に案内しますから」と話題を変えた。そして、タクシーの中で「部長の実家はうどん屋さんなんですよ。それであんなことを…」と話してくれた。なるほど、プライドか!! 大阪人の食の心意気を思わぬところで感じてしまった。納得、納得、と思ったものだ。
 
  自分も蕎麦・うどんが好きだ。母は蕎麦好きで、子どものころに小樽に出かけたときは必ず蕎麦屋に入った。小学生の自分にはカツ丼を頼んでくれた。埼玉・坂戸市に来てから一時期、母は冬の間だけ我が家で過ごしたことがある。自宅から徒歩5分に「甚作」という手打ち蕎麦屋がある。そこがお気に入りで、家族を連れて通った。今も丁寧な仕事をする店だ。