東京駅の@270円おにぎり

ここ数日、セブンイレブンの「おにぎり100円」のTVコマーシャルが繰り返されている。4月4~8日の限定で「税込160円未満の商品が、税込100円」だ。少子高齢化やライフスタイルの変化によって、惣菜・中食市場は8兆円規模にも膨らんでいる。おにぎり1個をめぐるシェア争いもますます激化している。この 「おにぎり100円」で思い出した。
 
 少し前に東京駅で山手線を降りて八重洲中央口に近い右手に、「260円、虎杖浜」と大きく看板が出ているおにぎり屋さんが目に入った。一瞬反応しかけたが、急いでいた。帰りに見たら「虎杖浜の生タラコ入りおにぎり260円」だった。かなり驚いた。消費税アップのためか、今朝ネットで確認したら270円になっていた。「超ブランドおにぎり」だ。上手いブランド戦略だ。
 
幼いころ見た漁船の最後尾にあった「虎杖浜港」の文字を思い出した。当時スケソウダラ水揚げでは道内有数だった故郷の北海道・古平港にときどき虎杖浜の漁船が入って水揚げしていた。虎杖浜は北海道噴火湾(太平洋)の漁港だ。その時、その場所は知らなかったが、後で白老の近くの漁港だと分かった。スケソウダラを求めて、日本海にまで出漁し古平港で売っていたのだ。
 
 「虎杖浜のタラコ」が今、東京駅の新幹線入り口近くを行き交う、数え切れないほどの人々の視覚に刷り込まれる。おにぎり屋と虎杖浜のタラコ会社の間でどんな作戦が話し合われたかは知らないが、高等ブランド戦略だ。おにぎりで使っているのはたぶん安い「切れ子」だろうが、贈答用高級品の「虎杖浜のタラコ」はさらに高くランクされていくだろう。