アブラコとハゴトコ

 昨夜、アブラコ(アイナメ)の料理法をNHK「プロフェッショナル」でやっていた。札幌のフランス料理シェフ・中道博氏が30年間、美味しい食べ方を研究して完成した。そんな内容だった。アブラコはわたしの出身地・北海道積丹半島でも獲れる魚だ。
 
 アブラコ釣り―西風が吹き始める秋が来ると、泳ぎに行けない子どもたちが夢中になった。夕飯を終えて暗くなれば浜に集まった。叔父や上級生が連れて行ってくれたりもした。アブラコやハゴトコ(スジアイナメ)狙いで、深そうな岩礁で竿を振った。
 
 エサは岩虫かミミズ。声をひそめ緊張感で胸が高鳴った。アブラコもハゴトコもけっこう引きが強い。子どもが興奮するのに十分な手ごたえだった。ただ、なかなか釣れない。一尾か二尾ということが多かった。30センチもあれば大満足だった。
 
 アブラコは下級魚だった。すぐ傷むので、煮付けにしかならなかった。から揚げでも食べた記憶があるが、いずれも磯臭さが残った。同じ白身でもハゴトコの方が身が締まっていた。だからアブラコよりもハゴトコが釣れると喜び勇んで家に戻った。
 
 古平町の実家に帰ればあの当時の浜に行く。昔は岸からかなり離れていた岩がなんと目と鼻の先にあった。海中で水眼器から見えたアブラコやハゴトコは大きくて美しかった。浜の焚き火で焼いて食ったことも思い出した。浜鍋にも入れたような・・・?!