熱中症予防の秘訣

 梅雨入り寸前の今こそ、熱中症予防の体をつくっておきましょう―若い頃、野球チームメンバーの東京消防庁勤務の友人が言った。彼は我々に軽く2km走った後に牛乳を飲むことを勧めていた。職業的に常に体を鍛えている彼の指導に、ほとんどのメンバーが納得した。
 
彼は、夏に向かって朝夕涼しい時間の速歩やジョギング、朝昼晩3食をバランス良くしっかり摂る、ストレッチで体幹を鍛えるetcを継続することを強調した。彼はぜい肉一つない見事な筋肉質の体を誇り、酒も飲むが牛乳も飲む、それが秘訣だと酔えば自慢した。
 
 これらの運動や飲食は体温調整機能を上げ、全身の血液量を増やすと言った。熱中症の原因は体温調整機能が正常に働かなくなること。そこで体温調整機能の働きをアップさせて、熱中症になりにくい体にしていくこと=熱中症予防の秘訣だとメンバーに説いた。
 
「きつめの運動をした後に牛乳を飲むことで、血液量を増やし発汗能力もアップさせることができる」という学説もある。牛乳に含まれる「ホエイたんぱく質」がカギらしい。運動の後にたんぱく質を摂取すると、アルブミンという物質が合成されるという。
 
アルブミンには水を血液中に集める効果があり、血液の量が増える。運動をした直後に牛乳を飲むと血液量が増え、その結果汗をかきやすくなって熱を体外に逃がしやすくなる。速歩きに相当する運動を30分した後、30分以内に300mlの牛乳を飲むのがおススメだと。