カスベの煮凝り

 昨夜のNHK「プロフェッショナル」で腕利きのフレンチシェフが「魚だけのフルコース」をめざしていた。メインの食材はカスベ。煮たり焼いたり揚げながら肉に負けない食感と旨味を追求していた。この魚は傷みが早いので食材としては限定される。メイン料理は大変だと思うが、海苔を使ったソースを合わせて完成させた。
 
 日曜日の夕飯用にカスベの煮付けをつくったばかり。昨日冷蔵庫から出したら煮汁が固まっていた。プルンプルンの煮凝りで、一気に記憶が小学生の時に飛んだ。弟と一緒にご飯を食べていて、母親がカスベの煮付けに煮凝りをかぶせてくれた。その他はワカメの味噌汁、何時もあった煮豆、キャベツの漬物だ。
 
 この煮凝りはストーブを焚いている居間では少し経てば煮汁にもどる。その前に兄弟は争うように煮凝りを口先にツルンと入れて、旨い匂いがすると同時にご飯を頬張った。茶碗と箸は大忙しで、早く食べて母から煮凝り追加をもらおうとの魂胆だ。丸い卓袱台がなつかしい。きょう妻が手を入れて味付けを濃い目にする。