タコしゃぶ

 きのう夕飯は真ダコのしゃぶしゃぶ。久しぶりに透明感のあるタコの身を噛み締めた。もちろん北海道積丹半島沖で獲れた新鮮なもの。ポン酢と、牡蠣しょう油で食す。上品な甘味が噛むほどに染み出てくる。タコはタウリンの塊、元気の素。
 
 以前、タコの話をしていたら、「値段が高いから買えない」と女性たちから反撃された。事実そうらしいので話題を変えた。スーパーなどで売られているタコのほとんどが外国産で、モーリタニア産が多い。タコ、イカの旨味を知る人は幸い。
 
 独特の存在感を放ったたこ八郎のファンだった。元々ボクサーでチョイ役が多かったが、マニアックなファンが多かった。その後いか八郎を知った。映画「アロマエテマエ」の銭湯、老人役で見つけた。一人悦に入った。
 
 むかし倉敷市下津井のタコ料理店でコースを食べた。刺身、天ぷら、タコ飯などで5000円ぐらいだった。歴史家・奈良本辰也が「中央公論」に紹介して人気店になった。店主がマスコミにひっぱりだこで、その日もテレビの撮影中。
 
 酒を飲んでいた頃のつまみは、まず枝豆とタコのから揚げ。これをビールで流し込むため、午後のコーヒーを控えたりもした。先輩から“タコ”と言われたこともある。ほかの言い草なら反発したが、“タコ”は妙に納得した。以上タコ物語。