中国ワイン覚醒!!

 読売・解説面のコラム「解」に「新緯度ワインに注目」との記事がある。ワイン用ぶどうの栽培適地は北緯、南緯ともに30~50度とされ、フランスやイタリアなどの銘醸地がこの地帯に集中する。ところが近年、この緯度から外れた土地で作られたワインが注目を集めているという。「新緯度ワイン」と呼ばれる新顔だ。
 
たとえば、北緯50度より北にある英国・ロンドン近郊で伝統的な製法にのっとったスパークリングワインが造られ、王室の結婚式にも出されて評判になった。地球温暖化の影響で、ブドウ栽培地の北限が北上してオランダや北欧でも良質なワインが造られ始めている。一方で、タイでもワイン作りが始まり、国際会議の夕食会で振舞われている。インドやベトナムでも自国産が広がっている。
 
 筆者は「変容する世界の有り様がワインからうかがえる」と述べている。同感だ。コラムを読んでいて、先般の中国ワイン記者発表会を思い出した。北海道の井原水産が中国の高級ワイン「グレース・ヴィンヤード」の独占輸入販売を開始した。中国でも2000年以降、ワイン産業が大きく変貌してきた。ワイナリー形態の多様化やワインの品質の向上など凄まじい勢いで変化しているという。
 
「中国ワイン覚醒」。やがて、世界各国のワイン事情に大きな影響を与えることになっていくだろう。なにせ中国はすでに世界のワイン消費量第5位(2011年)、生産量第6位(2008年)との統計もある。いずれにしてもやがて「本物」のワイン大国になっていくはずだ。
 
情報通のビジネスマン、マスコミ関係者が注目する経済情報サイト「ビジネスジャーナル」に、「生産量世界5位!中国の台頭で激変するワイン市場ー『味がしない』は、今は昔?“高級”中国ワインが日本を席巻!?」が昨日からアップされた。ジャーナリスト・清丸恵三郎氏の執筆だ。中国ワイン事情に詳しく、よく分かる。