「落葉きのこ」の味噌汁

   「落葉(らくよう)きのこ」ってご存知ですか? 北海道でそう呼ぶ。カラマツなど広葉樹の下に生えているきのこのこと。積丹の妹からの冷凍便の中に厚いビニール袋に入って冷凍されたそれが詰められていた。今日は夕食の味噌汁の具にする。子どものころ秋になると母がどこからか手に入れてきて、味噌汁や大根おろし和え、鍋料理に入れて食べたことを思い出す。今晩は何年かぶりでその独特の食感を楽しむつもりだ。
 
 正式名称は「ハナイグチ」だという。カラマツ林の陽のさす地面で、腐葉土の中から艶やかなきのこが採れる。これがハナイグチ=落葉きのこだ。9月中旬から10月中旬が最盛期だ。子どものころにババ(祖母)に連れられて採りに行ったことがあったが、場所は覚えていない。ただ、たくさん採れたことだけはよく憶えている。妹夫婦が山歩きや山菜取りが趣味なのだ。そのおかげで埼玉では珍しい食材を味わうことができる。