「粒うに」、「塩かるかん」=塩の文化

 昨日昼に宅急便で北海道から「粒うに(200g)」2箱と一夜干しイカ10枚が届いた。弟からのプレゼントだった。さっそくイカは焼いて夕食のおかずにした。一口噛んだら、積丹の海の匂いがした。ウニもイカも自分の食体験の原点だ。年齢を重ねるほど、故郷の味が恋しいと感じる。これらの真髄は塩加減であり、それが地域の「食文化」を成立させているのだろう。
 
 古平の実家の隣家は、昔から浜でウニを獲って「塩ウニ」をつくっていた。それが家業だった。沖で網をかけて魚を獲る漁師に対して、「磯まわり」といった。今の時代は魚が獲れなくなり、ウニは高級食品として評価されている。JR有楽町駅前の「道産子プラザ」に行けば、いつでも手に入る。新鮮なイカ刺しに「粒うに」を酒で溶かして和えても旨い。パスタにも良い。
 
 先日、鹿児島から戻ったMさんが「あま塩かるかん」(本家文旦堂)を土産に持ってきてくれた。「手作りの塩が山芋と米の粉の味を引き出す」と書いてある。餡(あん)が入った「かるかん饅頭」はかつて鹿児島出張のたびに買って来た。「塩かるかん」は初めて食べた。ふっくら蒸しあがった生地はほのかな塩の甘味と旨みに満ちていた。餡は入っていない。
 
 渋谷区神南にあった「たばこと塩の博物館」が35周年で、9月1日で閉館する。2015年春ごろに墨田区横川に移転・リニューアルするそうだ。入社5、6年目ごろに日本専売公社(現JT)の広報を担当していて、同社の専門職からタバコと塩の文化をかなり勉強した。古代ローマ時代に兵士の給料が塩で払われた。それが「サラリーマン」という言葉になったとか。