吉野さん『死の谷」

 旭化成名誉フェローの吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞した。以後、テレビに出ずっぱり。同世代として彼の偉業を讃え、リチウム電池のさらなるインフラ化を期待したい。

 

 朝日・「声」欄に山田紳氏による風刺画のコメント、「しかし『心配が見えておる、この国の『ジリ貧の研究・開発費』じゃ』。その指摘にかつて取材した研究開発セミナーを想起した。

 

 企業の基礎研究者約100名がこぞって指摘したのが、「デスバレー(死の谷)」。成果が出ない取り組みは“即中止”される社内の壁。すぐに商品化、収益化できる研究開発のみが求められている。

 

 吉野さんはよき時代に生まれた。高度成長期では企業の基礎研究は、研究開発費を含めて今より恵まれていた。吉野さんはこの点を重視して、若手を育成していくと語った。感動した。