「魚の目」、「コウモリの目」

   今朝の各紙に「NHK経営委員」候補についての記事がある。安倍首相に近い人事だと書いてある。作家・百田尚樹氏や本田勝彦・JT顧問(首相の元家庭教師)などの名前が挙がっている。首相は百田作品の愛読者だそうだ。NHK経営委員候補ってそのように選ばれるのだと初めて知った。どうも腑に落ちない感じ。
 
 昼前にショッピングセンターの床屋で散髪した後、いつもどおり本屋店内を巡回。今朝の読売朝刊に雑誌「WiLL」12月号の広告が出ていて、トップが「百田尚樹 特別書き下ろし45枚『安倍晋三論』」。本日発売だ。雑誌コーナーのもっとも良い場所に平積みで二冊並んで計8冊も置かれていた。販売戦略(?!)勝ちだなぁ―。
 
 百田氏は「安倍首相とは4回会っている。そのうち2回は対談でじっくり話しを聞いた」と述べ、「最初は安倍晋三氏が首相になる前だった」という。安倍氏の使命感と考え方に深く共感したなど賛美する文章が延々と続く。それと日中、日韓問題に絡んで朝日・某氏に対する厳しい批判が語られていた。内容のわりに長過ぎ。
 
 やはり新聞広告で、「文藝春秋SPECIAL」(冬号)の「日本の軍師100人」に「『鳥の眼』と『虫の目』を併せ持つ安倍政権の軍師・菅義偉」とある。来年のNHK大河ドラマ黒田官兵衛」の先取り。今、なぜ軍師なのか―と問いかけている。また波乱の一年が襲いかかってくる予感を誰もが抱いている時代なのだ。そう痛感する。
 
世の中を見つめる目は、「鳥」、「虫」の他に「魚の目」と「コウモリの目」がある。「魚」は見えない時間の流れや流行を感じる。「コウモリ」は物事を逆からみたり固定観念を崩してみる目だ。誰の言葉か忘れたが、メモ帳に書き留めてあった。何が起きているのか、何が起きようとしているのか、よく視ていきたい。