八角(魚)と小樽

 

 

 昨夕「八角」を食った。深海魚で今回の積丹町・妹の荷物に入っていた。その顔は小型のワニに似て、体はトゲトゲ状の硬質皮で覆われている。家人が塩焼きにした。やっばり、マイウ~!!

 

 硬い皮を剥がして食べるので思いのほか身は少ない。ところが身の旨味と甘味は口中にやわらかく沁み込む。たくさん獲れる魚ではないので子ども時分あまり食べた記憶がなかった。

 

 新宿駅西口近くの「小樽」という料理屋を思い出した。かつて経営新聞編集長・Sさんの贔屓(ひいき)店。そこで八角料理が出た。刺身、塩焼き、煮付け。二人で微笑み合った。

 

 S さんは酒を好み、食通だった。小樽生まれで、新潟育ちだから美味い海鮮料理を知っていた。そこで酔っ払ってレコードバーに行った。狭暗い店で希望する曲をかけてくれた。

 

 「小樽」店主が引退して郷里にもどり閉店した。Sさんが亡くなって10年を越えた。彼と一緒に出かけた思い出はいつも楽しかった。何回も花小金井の自宅に招いてくれた。御礼申す。