タコとんび

 一昨日、札幌にいる妹から宅急便が届き、袋の中に日本海の珍味が入っていた。おなじみの鮭トバのほかに、いか燻製、蛸とんび、サーモンリング、すけとうたら燻製(商品名「ペッたら」)などが入っていた。昨夜、「蛸とんび」をかじった。子どもの頃「とんびこからすこ」と呼んだタコの口の部分を燻製にしたもの。ゴルフボールほどの大きさだ。
 
 タコの口はその内に、鳥の鳶(とんび)やカラスのように尖った二枚の嘴(くちばし)が噛み合う形になっている。この「黒い歯の代わり?」を包むように肉厚の身が付いている。それをかじりながら剥がしていく。最後にその二つの嘴が残る。燻製にされた蛸の肉は、噛めば噛むほど独特の旨味が染み出てきた。やっぱりこんなに美味しかったのだ。
 
 子どもの頃、母がゆでたタコの口に弟と一緒にかぶりついた記憶は、今でもはっきりと残っている。それが燻製になって数倍、いや10倍も旨くなっている。妹は電話で「最近リニューアルされた小樽駅で買った」と言っていた。いゃー、タコのこの味、なつかしいネ!!と何回もいいながら食べた。
 
 そして、やっぱりそうだった。南保君がつくった商品だった。余市高校の同級生の彼が、燻製をやっていることは知っていた。数年前に余市港から報じたテレビ番組に出て、燻製について説明していたのを見ていたからだ。燻製類の裏のラベルをみたら南保留太郎商店となっていた。
 
 タコもイカも魚も、日本海でとれるものは最高に美味なる食材なのだ!! 再度、一人で肯いた。